ボーッとした時に考えてること
匂いを嗅ぐと記憶の扉が開くことが多い。
小さい頃、数年住んでいた家の近くにある駄菓子屋のゲーム筐体の裏の匂い
前に勤めていた会社に初めて赴任した時に嗅いだ職場の匂い
親戚の家の床下にある収納スペースの埃っぽい匂い
幼少期、友達の家で嗅いだ他人の家の匂い
地元の公園にある金木犀の匂い
檜風呂の匂い
匂い→記憶はあっても、
記憶→匂いはない。
シグナルの一方通行
もし、記憶が本当に扉のようなものなら、匂いはまさしく鍵なんだろう。
金属製の無骨で少し錆びたような淡く光る鍵。
2本の鍵。
そんなのが鼻にブッ刺さって、クルッと回って、ようやくそれで扉が開く。
苦痛なんだろうな。
だから、記憶から匂いは思い出せないんだろう。
閉まった扉の中にある鍵は取り出せない。
JAF呼んで開けてもらう他ない。
そんなことを秋の夜長に一人妄想する。
平和だね。